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法月綸太郎『生首に聞いてみろ』

ひっさびさにまともなエントリ。…いや、ふうこに多くを期待されても困るけど。

生首に聞いてみろ

で、新年最初の読書です。父親は警視庁の警視、息子は作者と同名のしがない推理作家で名探偵という、エラリー・クイーンにリスペクトしまくりのシリーズ最新長編。2005年版『このミステリーがすごい』『本格ミステリ・ベスト10』でそれぞれ第1位に輝きました。新年の一発目としてはベタなチョイスですが、実は出た時から挑戦的なタイトルが気になっていた作品でもあります。

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恩田陸『夏の名残りの薔薇』

夏の名残の薔薇

諸事情により1ヶ月遅れで読了。Amazon では『夏の名残の薔薇』で検索しないと出てきません。にゃろう…書影に映っているタイトルにもちゃんとがあるぞ。

さて、本書は文藝春秋社の展開する本格ミステリ・マスターズシリーズの最新刊として刊行されました。本格ミステリ・マスターズといえば、「このミステリーがすごい! 2004年度版」第1位/「週刊文春ミステリーベスト10(2003年)」第2位/「2003本格ミステリ・ベスト10」第1位/第4回本格ミステリ大賞受賞という歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』も所収されている、まさに「本格」のためのシリーズです。ということは、もしかして『象と耳鳴り』みたいなミステリ然としたミステリが読めちゃったりとか…?などと密かに期待してみましたが、最初の1節であっさり裏切られました。ま、本格って意外に間口が広いからな。

『夏の名残りの薔薇』というタイトルは、アイルランド民謡 The Last Rose of Summer(邦題は庭の千草)から取られていますが、作者が意識しているのは 19 世紀にハインリヒ・W・エルンストが作曲したバイオリンのための練習曲だということです。エルンストの『夏の名残りの薔薇』は一つのテーマを繰り返し変奏していく構成になっているそうで、本作の構成もそこからヒントを得て、「第一変奏」から「第六変奏」まで、同じ場所に居合わせた登場人物達が、そこでの出来事を代わる代わる一人称で語る構造になっています。ふうこが今まで読んだ中で一番近い構造を持っているのは貫井徳郎『プリズム』ですが、あえて端的に言うと『プリズム』があくまである「事実」を真ん中に据えて、「事実」の様相が「主観」というフィルタで乱反射する様を描いているのに比べ、本作は「主観」の方が「事実」に影響を及ぼす様を描いているので、自ずと着地点が異なります。

もし恩田作品を初めて読むなら、本作はお勧めかもしれません。氏の作品が持つ様々な魅力がまんべんなく詰まっていると思います。「本格ミステリ」と言えば折り目正しい推理ものしか知らない、という方にもお勧めです。きっと新鮮な読書体験になることでしょう。

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恩田陸『夜のピクニック』

夜のピクニック

例によって恩田陸の最新刊です。

さる地方都市の進学校で行われる不思議な行事「歩行祭」。朝から次の日の午前中までかけて 80km を歩き通すこの全校行事はまた、高校3年生を迎えた少年少女たちにとって最後の学校行事でもあった。

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内田康夫『風葬の城』

風葬の城

投稿日時現在書影が出ませんけども、祥伝社の文庫版です。実は初めて読む内田作品。とは言いながら多方面に露出のある浅見光彦シリーズですから、秋田書店刊『サスペリア・ミステリー』でのコミカライズで馴染みはあったりしますが。

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私屋カヲル『ちびとぼく』(4)

先日、夜の渋谷センター街を家路に急いでいたところ、スーツ姿の男性がチャコールグレーの子猫にリードをつけて歩いているのに出くわしました。子猫は生意気にも、周囲を伸び上がるように眺めまわしながらふーりふーりと歩いておりました。ずっきゅーん (>x<) つーことで、ふうこは猫好きなのです。いぬさんもすきです。でもねこさんはもっとすきです。

ちびとぼく(4)

で、今日の読書はまたしても漫画。猫好きな高校生「桃井ケンヂ」と和猫の「ちび」との日々を描く著者初の4コマ連載です。

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