綾辻行人・佐々木倫子『月館の殺人』(上)(下)
- 2006-08-10 12:05
- 今日の読書
沖縄育ちの空海(そらみ)は、「鉄道」と名のつくものに一度も乗ったことがない。たった一人の家族である母が何故か鉄道を毛嫌いしていたからだった。そんな母を亡くし、ついに天涯孤独となった空海の元に、音信不通だった母方の祖父から北海道を走る特別急行列車「幻夜」への招待が。同じく招待を受けた曲者ぞろいの『テツ(鉄道マニア)』達と共に、空海の人生初の「鉄道旅行」が始まる。
世の中なりたがったもん勝ち。
沖縄育ちの空海(そらみ)は、「鉄道」と名のつくものに一度も乗ったことがない。たった一人の家族である母が何故か鉄道を毛嫌いしていたからだった。そんな母を亡くし、ついに天涯孤独となった空海の元に、音信不通だった母方の祖父から北海道を走る特別急行列車「幻夜」への招待が。同じく招待を受けた曲者ぞろいの『テツ(鉄道マニア)』達と共に、空海の人生初の「鉄道旅行」が始まる。
出たのも古ければ読んだのも結構前ですんませんけども…。久々に恩田陸の積ん読を片付けました。著者初の単行本上下巻。『ネクロポリス』とはラテン語で『死者の都』という意味で、学術的にはエジプトのナイル川西岸にある王墓の遺跡が集まる地域のことを指すようです。
といっても、この話の舞台はエジプトではなく、日本と英国の文化が融合した国(?)V.ファー
にある聖地アナザー・ヒル
。毎年ヒガン
の期間になると、住民たちはアナザー・ヒルに上陸し、ここに帰ってくるお客さん
=死者を待ち受け、その話を聞くという奇妙な風習がある。そんな不思議な祝祭に、遠縁を通じて参加できることになった文化人類学を専攻する大学生のジュンイチロウ・イトウ。しかし今年に限って例年参加する者すら戸惑うような事件が次々と…という、いかにも「恩田陸!」な設定。今作も筆者特有のホラーとサスペンスが交じり合ったような雰囲気を十分に楽しむことが出来ます。
創元推理文庫による復刊第3弾。…本書解説の折原一も言っていたが、~の殺意
という名前がずらずら続くのはちょっと混乱するなぁ。かといってオリジナルタイトルの高校野球殺人事件
ってのも散文的に過ぎるけども。
で、今回の読書は、途中まではあまりよくない評価を書くつもりだったのです。というのが、物語の割と最初の方で何となくこいつ犯人じゃないかなぁ
と思ったやつがまんまと犯人だったので。これって、野球で言ったらすごいボールを持ってるけど投球モーションで球種が読まれてしまうピッチャー
だろ。バッティングセンターで 150km/h のストレートをがんがん打つ素人がいることでも分かるとおり、球種がバレたら8割方打たれたようなもんだ。
ところが、こいつしかいない
と思ってからそいつを追い詰めるまでの物語の運び方が存外によかったのでした。論理のアクロバット
とまではいえないけれど、論理の隙間をひとつひとつ埋めていって、完成した瞬間に物語が冒頭部分にループする、その感覚が気持ちよかった。何の推理もせずに犯人が分かってしまうほど、ある意味ワンパターンな語り口の著者ではありますが、今回の物語はその特徴を十分生かした読める話
になっていたと思います。調子がよければくると分かってても打てない
というほど切れてる時もあるということですな。ごちそうさまー。
突然ですが、BlogPeople のコラボレート企画で BlogPeople Loves Feedpath というのがありまして。同時に BlogPeople 経由で Feedpath に登録すると抽選で本書が当たるというキャンペーンが実施されたのですが、せっかくだからと応募したらめでたく当選しました。これでふうこも Web 2.0 にゃー。
で、テーマは文字通りWeb 2.0 って何なのか、どこに行くのか
ということにひたすらフォーカスを置いたもの。WWW の草創期から現在進行形の話まで網羅されていて、とても分かりやすい本でした。特にふうこは本格的に WWW の住人になったのが 21 世紀に入ってからなので、1990 年代の斯界の動きから今につながる流れが把握できてとてもためになりました。ところどころ気になる記述はあったけど…トラックバックを相互リンク
と言い切っちゃってるとことか、XML をプログラミング言語
って呼んじゃってるところとか。…もしかすると、読む人が読むとこんな調子でふうこが鵜呑みにするしかないところでもそんなわけないだろう
っていうのがあちこちにあるのかもしれないなぁ。…でもまぁいいや。それほど掘り下げる気はないけどちょっとは押さえとかないとなぁ
と思っていた分野の話だし、分量のコンパクトさやまとまりのよさはふうこの予備知識と興味加減にぴったりでした。これでちっとはアルファブロガーさんたちの話についていけるかなっ。
表題の通り、白泉社の月刊誌『LaLa』で「付録冊子」として不定期掲載されていたひかわきょうこ『お伽もよう綾にしき』が同社隔月刊『メロディ』に移動、本年8月号(6/28 発売)から連載を開始したようです。いやぁ、あぶねぇあぶねぇ。見逃すところだったわぁ。
ま、ひかわさんは月刊連載無理だし、かといって毎度々々付録冊子つけるのも大変だろうし、『LaLa』には『桜蘭高校ホスト部』とか他に稼ぎ頭もいるわけだし、いろいろ利害が一致したんでしょうね。私としても、やきもきして待つ必要がなくなってよかったです。…『メロディ』の他の連載は出来れば読みたくないんだけどなー。
かなり今更ですが、この間結構感激して読んだ中町信の文庫版、続刊が出ていたんですね。いやっほう、ということで大人買いして早速読んだ第2作。自身の長編第6作に当たるそうです。
が、今回のは前回配本の『模倣の殺意』に比べるとパワー不足かなぁ。語り口が微妙に被っている上に、最後ばたばたっと広げた風呂敷を無理矢理畳んで去られてしまった感じで、食い足りない気分が残ってしまいました。特に「風呂敷」を畳んだ人物にはお前じゃないだろ
と言いたい。お話自体は良質な○○なんですがねぇ。…普段そんなにネタバレに気遣いはしないのだけど、これは言えないな。もう言うだけでネタ割ってるっていうくらい言えない(そして、こういう言い方もネタ割ってる感が拭えない)。
実際のところ、細かい出来はともかくこれだけの○○はそうそう読めるわけではないので、『模倣の殺意』が気に入った
という人にはぜひ続けて読んでもらいたい一冊です。…別に順序が関係あるわけじゃないけども、初めての人は『模倣の殺意』を読んでからの方が勢いに乗れるんじゃないでしょか。
ワールドカップ、終わりましたねぇ。クロアチアと引き分けた時はまたしばらく TV でジーコがどうした、ヒデがどうしたとか延々やるのかー
とちょっと鬱だったが、先の WBC の時の日本代表の首の皮一枚のつながりっぷりを考えてじっと我慢の子でしたことよ。
で、それとは全然関係なく、ここしばらく溜め込んでた今日の読書を順次投入。
第1弾は、たまたま書店でフェアというか、一連の作品を平積みで扱ってるのを見て買った一冊。どうも最近映像化されたようですね。適当に不良
を心がけるチャラい高校生、冴木隆(さいき・りゅう)が、二人きりの家族だというのに今ひとつ得体の知れない涼介親父の探偵稼業のお手伝いであれこれ事件に巻き込まれる父子鷹サスペンスアクション、という非常につかみのよいお話。
また東野圭吾がノミネートされてるらしいという話だけ聞いて放置してたら、表題のようなことになってることに今日気づいた。『ネクロポリス』と『エンドゲーム』がまだ積ん読になってるんだけど、単行本は電車で読みにくいし、今頃『通勤ヒトフデ』にはまってんだよね(笑)
人気、経歴ともまったく言うことなし、直木賞なんてとらずとも、この人の作家人生に何ら曇りも陰りもないと思うわけです。逆に、こんなところで賞をあげたら、選考した側が世間から笑われる、という毎度毎度おなじみの光景を、また見なくちゃならないと思うわけです。今さら2回連続で候補にしちゃってからに。3年は遅いんだっつうの。
だーよーねー。絶対夜ピクをスルーしたのをどこかで取り戻そうと思ってるに違いない。
おお! 珍しく白泉社の本に書影がある…。
さて。何やかんやですっかり時期を逃してしまったんですが、一応載せときます。『彼方から』連載終了から1年余り、白泉社刊『LaLa』で別冊付録という形で不定期掲載されている新作がコミックスにまとまりました…3ヶ月くらい前に。
…結局買っちゃったよ! しかも普通に書店で! 誰も得しないじゃん! あほか! …と思うのはアフィリエイト時代の弊害でしょうかね。
とにかく、BlogPeople 主催(って表紙にあったけど、普通こういうのって主宰
って言わん?)、モダシンこと永沢和義氏がブログについてまるっと語るブログ読本。扱っているのは、大体ブログって何?
と質問した時に最初に教えてもらえることの次
の話。BlogPeople 他、ブログに絡む各種サービスの説明も充実してる…んだけど、私はブログの横しに貼るツールには今ひとつ興味がもてなくて斜め読み…。
ま、内容は Modern Syntax を知ってて面白いと思う人が読んだら期待通り面白いわけですが、問題はモダシンを知らない人が面白いかってことで。モダシンを知ってて面白いと思う私が言ってもアレですが、何となくブログをやったことない人より、やったことある人の方がより面白みを感じる気がします。ブログ再入門
と言ってもいいかも。微妙に身も蓋もない言い方をしつつもネットで暮らす上での大人の対応
とは何なのかが示唆されていたり、ブログでいかに遊ぶか
といった観点でさまざまなアイデアが織り交ぜられていたりして愉快な本です。過剰な期待はしないで、ゆるーく楽しく読むのが秘訣かな。ブログと一緒だな。
なーんて感じで斜に構えてふんふんと読み進めていたら、文中に泥酔ブログ
の例示が登場。…こ、これってもしかしてふうこ書籍デビュー!(@@;)<自意識過剰
ところで、文中で XMLRPC-API が使用可能なブログツールにSB
とありますが、これってもしかしてsb
では。それかSerene Bach
。調べてませんが、SB
という正式名称のブログツールは存在しないと思います(確かに、調べにくいんだよこのキーワード…)。ちなみに、Serene Bach
の一番英語発音に近い表記はセリーン・バッチ
だと認識しているにもかかわらず、頭の中では思い切りローマ字でセレネ・バッチ
と読んでしまっているのは秘密だ。
トラックバックを送ってもいいんだが、どこに送ろうか悩むのが面倒なので、逆アクセス狙いでしれっと。
何だ何だ。恩田さん、確変入ってますねぇ。でも映画化は『木曜組曲』に次いで2作目、映画以外の映像化まで入れると『六番目の小夜子』『ネバーランド』に続く4作目…と考えると、結構妥当な線なのかしら、と思ったり。BlogPeople のドン、モダシンさんが大好きな加藤ローサちゃんも出るんですって。主人公の親友の帰国子女役
ということなんですが…あれっ。貴子のツレって、帰国子女だったっけ?(汗)
先週末の連休に今を時めく『愛・地球博』に行って参りました。土曜日に名古屋入りして、日曜の朝から夕方まで万博を冷やかして帰ってきたんですが、まぁえらい込みようで。やれリニモに乗るといっては1時間並び、ゲートをくぐるといっては1時間並び、パビリオンに入るといっては並び、トイレで並び、食事で並び、園内移動のゴンドラで並び、IMTS で元居た場所に戻るといっては並び。ついでに土曜の夕飯に出かけた「いば昇」でも1時間並んだし、帰京間際に名駅の地下街の「矢場とん」でも30分並んだ。いくら何でも嫌気が差すわ。…ま、ガイド本に載ってる店とか、入場者数記録を大きく更新した日とかにわざわざ特攻(と書いてぶっこみ
と読む)かけちゃったんだけどさ。
で、今回の読書は、そんな行列尽くしの旅行で唯一並ばなかった丸善名古屋栄店での戦利品。店長さん(?)がミステリファンということで、こっそりミステリ系の品揃えが充実しているお店です。…と言っても、私がここで店長の独自ルートで入荷した貫井徳郎『慟哭』の著者サイン本を手に入れたのはもう数年前の話で、丸善の従業員は異動もあるし、今はどうなのかよく分からなかったんですが。ま、結局サイン本はなかったものの、全く聞いたことのない作家に鮎川哲也氏激賞
『慟哭』に次ぐ驚愕のラスト!
などという手書きポップが付いているあたりに往年の嗅覚を感じて入手。…ああー長ぇ導入。
時は明治、福島県のある山村を訪ねてきた伝説の一族「常野(とこの)」の一家族と村人達が過ごしたひと夏の思い出。ファンの間でも人気の高いシリーズの最新作です。
でも、実はあまり感想ってないんですよね。何と言うか、ちょっと不思議な昔話を読んだという感じ。「昔話」といっても古臭かったり寓話的だったりするわけではなく、絵本というか(絵はいっこもないけど)、童話というか(童に見せるにはちと難しいが)。
まぁ常野一族の話は乱暴にメタジャンル分けすると「キャラもの」に入ると思われるので、ごちゃごちゃ言ってないで不思議な人たちの不思議なありようを素直に楽しむのが一番だと思います。「キャラもの」というとキャラ以外の要素に不安がある作品
を指していうこともあるようですが、恩田氏に限ってはそこんところの巧みさは折り紙つきですから、安心してお勧めできます。ありがたや。
それにしても、このジャンルにおいて恩田陸のオリジナリティは群を抜いてる…と思うんだけど、実は大体ほかに「源流」ともいえるべき作家が存在していたりするんですよね。このシリーズはかねてからゼナ・ヘンダースンの『ピープル』シリーズからインスピレーションを受けていると公言されています。どこまで追従しているのか、あるいは似ても似つかないのかは『ピープル』シリーズ未読なのでよく分からないけれど、ほかに同じことを考える人がちゃんと居るって時点で私の世間は狭いなぁ
と感じる瞬間でもあります。こんなの読んだことねーんだもん。
時間が経っても残っていてくれそうなページを探すのに困ってしまった(そして結局切れた)。とりあえず恩田氏の出身地、仙台の郷土紙であるところの河北新報のリンクを。大抵ニュースリンクは Yahoo! ニュースから各ニュースサイトに飛んでパーマネントリンクを取ってくるようにしてるんだけど、そもそも Yahoo! にトピックが載ってないんだもんよ。かと思えば岡元あつこたらいうタレントの結婚の話がいつまでもトップに載ってるし…。Yahoo! ニュースもアレだなぁ(どれ?)。
で、それはよくって、本題です。祝!初ノミネート(^^)(だよね?)でも候補作が『ユージニア』だというのは個人的に微妙〜。…いや、別に悪い話じゃなかったし、恩田さんの持ち味がよく出てるから、あれで受賞できれば素晴らしいことだとは思うんだけど…。でもあれを読んでて、ちょっと宮部みゆき『理由』を思い出したんですよね。過去の事件について関係者の証言を使って再構成する
というアイデアが似てるだけでアプローチは全然違うんですけど。でも『理由』は直木賞獲ってるけど『ユージニア』ではだめなんじゃないか、という気がひしひしとしてます。
何ていうか、直木賞って、あまり現実の中の非現実
を強調する作品が好きじゃない気がする、というのがひとつと、いわゆる社会派っぽい作品でも作品に表現される『社会』とか『世間』とかいうものに一定の基準があって、ある程度その基準に沿ったリアリティが表現されてない作品には冷たい気がするんですよね。東野圭吾氏とか、何度もノミネートされてるのにそんな感じでずっと落とされてるような。で、『ユージニア』もその基準には沿いきれていないんじゃないかなぁと。多分恩田作品でその基準に沿っているのは『夜のピクニック』だけだろう。…だから、『夜ピク』の各賞受賞であ、こんなひといたんだ
的に『夜ピク』以外の近作でエントリーされたんじゃねぇの、みたいな邪推が頭をよぎって、今ひとつ喜べないんだよなぁ。
ま、実は恩田氏以外のノミネート作は見事にスルーしてるし、そんなに直木賞に詳しい訳でもないので、結局上に書いたようなことは単なる戯言で終わる可能性も十分あるんですけど。落ちたら落ちたで、直木賞って割と何度もノミネートされた末に受賞というケースも多いみたいだし、まずは一歩ということで。
前回に引き続き、「小説以外」を。著者初の紀行文です。
さて、早速ネガティブ自分話ですみませんが、ふうこは基本的に「紀行文」というものが好きではありません。自分が行ったことのある場所の話ならなおさら。何故かと言えば、自分が行った時に気づかなかったことを体験している様を見ると腹が立つからである。…我ながらとんでもない狭量さだ。
でも実際の話、イギリス旅行に行ったお友達の旅行記を読んだ時にもっとイギリス人作家の本を読んでおけば、自分のイギリス旅行ももっと面白かったのかなぁ
とこっそり臍を噛んだ覚えがあるので、小説家になった今でも年に200冊本を読むという著者のイギリス・アイルランド旅行を題材にした本作は、ふうこ的にかなりの確率で積んだまま腐っていく候補
だったわけです。が、日本全国で夏日を記録した週末の手持ち無沙汰の埋め草に何故かフィット。全く、何がきっかけで壁を越えるか分かったもんではありません。…そんな大した壁でもないけど。
各文芸雑誌への寄稿や文庫の解説など、恩田陸氏の小説以外
の文章を集めた本。はっきり言ってコレクターズアイテム。でも本書の巻末の著作リストに載っている作品をどれも1度は目を通したことがある私は買うべきだろうと思う(でも『ユージニア』はまだ積んでる)。
もともと同氏の『ぴっぴら帳(ノート)』の方が気に入っていた相方が、帯についていたアオリにつられて買ってきた1冊。原爆に遭って10年、明るく過ごしながらもどこかであの日、生き残ってしまった自分
を赦すことができない女性の希望と絶望。
はい。また漫画ですよ。20代負け犬予備軍(って、こういう言い方好きじゃないけど、便利でつい。ぬるいな、俺)の生き様を描く四コマ漫画の最新刊です。
今回の見所は、何と言っても前巻の巻末で読者に強烈な放置プレイを食らわせた香(こう)ちゃんの恋の行方! ああーすっっごい気になってた! …そういや、いつの間にか年を追い抜かしてしまったな。20代は遠くになりにけり(<いや、まだ半年くらいだから)。
全体的には「一見さんお断り」の看板が見えるほどのぶっ飛ばし具合なので、ここにアサマシリンク貼っときながらこの巻だけ読むのはお勧めではありません。雑誌連載で、途中から読んだ人が入れない雰囲気を醸し出し始めると必然的に終わりが近くなってくるんだよな。うむ、そろそろ潮時か…?
とか思ってたら、前巻で鉄の幸せぶりを誇っていた玄夜(げんや)が、巻末2ページで強力な爆弾を食らわしていきました。…うっそぉ! そうくる!? こ、これは長そう…ていうか、終わってもらっちゃ困る〜。
風邪で寝込む前に手に入れて、病床から今までリピートしまくりの今日の読書。漫画だけど。文庫版最終巻の第7巻が2005年3月15日にめでたく発売になったので、感想解禁。ちょっと夢見がちなごく普通の女子高生、立木典子が無差別爆破事件に巻き込まれた拍子に全く別の世界に飛ばされてしまい、そこで異世界人の青年、イザークと出会う…というべったべたなファンタジーです。
ていうか、ブログに移ってからは一度も言ったことないと思うんですが、ふうこ基本は SF 嫌いのファンタジー敬遠派なんです。まぁ SF にしろファンタジーにしろ、上質なものはちゃんと面白いって知ってはいるのだけど、プロアマ問わず選択肢が多すぎるのと、人気がある
ということと(ふうこの基準で)上質
ということがイコールにならないことが多いのとで食わず嫌い。これも雑誌連載時に見ていなかったら手に取らなかったでしょう。まぁ本作は2004年度星雲賞コミック部門を受賞されたとのことで、ファンタジーとしての完成度は折り紙付きか。
ひっさびさにまともなエントリ。…いや、ふうこに多くを期待されても困るけど。
で、新年最初の読書です。父親は警視庁の警視、息子は作者と同名のしがない推理作家で名探偵という、エラリー・クイーンにリスペクトしまくりのシリーズ最新長編。2005年版『このミステリーがすごい』『本格ミステリ・ベスト10』でそれぞれ第1位に輝きました。新年の一発目としてはベタなチョイスですが、実は出た時から挑戦的なタイトルが気になっていた作品でもあります。
諸事情により1ヶ月遅れで読了。Amazon では『夏の名残の薔薇』で検索しないと出てきません。にゃろう…書影に映っているタイトルにもちゃんとり
があるぞ。
さて、本書は文藝春秋社の展開する本格ミステリ・マスターズ
シリーズの最新刊として刊行されました。本格ミステリ・マスターズ
といえば、「このミステリーがすごい! 2004年度版」第1位/「週刊文春ミステリーベスト10(2003年)」第2位/「2003本格ミステリ・ベスト10」第1位/第4回本格ミステリ大賞受賞という歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』も所収されている、まさに「本格」のためのシリーズです。ということは、もしかして『象と耳鳴り』みたいなミステリ然としたミステリが読めちゃったりとか…?などと密かに期待してみましたが、最初の1節であっさり裏切られました。ま、本格って意外に間口が広いからな。
『夏の名残りの薔薇』というタイトルは、アイルランド民謡 The Last Rose of Summer
(邦題は庭の千草
)から取られていますが、作者が意識しているのは 19 世紀にハインリヒ・W・エルンストが作曲したバイオリンのための練習曲だということです。エルンストの『夏の名残りの薔薇』は一つのテーマを繰り返し変奏していく構成になっているそうで、本作の構成もそこからヒントを得て、「第一変奏」から「第六変奏」まで、同じ場所に居合わせた登場人物達が、そこでの出来事を代わる代わる一人称で語る構造になっています。ふうこが今まで読んだ中で一番近い構造を持っているのは貫井徳郎『プリズム』ですが、あえて端的に言うと『プリズム』があくまである「事実」を真ん中に据えて、「事実」の様相が「主観」というフィルタで乱反射する様を描いているのに比べ、本作は「主観」の方が「事実」に影響を及ぼす様を描いているので、自ずと着地点が異なります。
もし恩田作品を初めて読むなら、本作はお勧めかもしれません。氏の作品が持つ様々な魅力がまんべんなく詰まっていると思います。「本格ミステリ」と言えば折り目正しい推理ものしか知らない、という方にもお勧めです。きっと新鮮な読書体験になることでしょう。
例によって恩田陸の最新刊です。
さる地方都市の進学校で行われる不思議な行事「歩行祭」。朝から次の日の午前中までかけて 80km を歩き通すこの全校行事はまた、高校3年生を迎えた少年少女たちにとって最後の学校行事でもあった。
投稿日時現在書影が出ませんけども、祥伝社の文庫版です。実は初めて読む内田作品。とは言いながら多方面に露出のある浅見光彦シリーズですから、秋田書店刊『サスペリア・ミステリー』でのコミカライズで馴染みはあったりしますが。
先日、夜の渋谷センター街を家路に急いでいたところ、スーツ姿の男性がチャコールグレーの子猫にリードをつけて歩いているのに出くわしました。子猫は生意気にも、周囲を伸び上がるように眺めまわしながらふーりふーりと歩いておりました。ずっきゅーん (>x<) つーことで、ふうこは猫好きなのです。いぬさんもすきです。でもねこさんはもっとすきです。
で、今日の読書はまたしても漫画。猫好きな高校生「桃井ケンヂ」と和猫の「ちび」との日々を描く著者初の4コマ連載です。
2002 年に急逝されたナンシー関氏の公式サイト、NANCY SEKI's FACTORY『ボン研究所』(以下『ボン研』)に掲載された文章と、その他単行本に未収録(と思われる)の対談等を納めた最後の新刊
…なのかな。しらんけど。実は『ボン研』はまだアクセスが可能で(独自ドメインなのに…誰が面倒見てんだ)、本作に収録されたネタの大半はまだネットで読めてしまうという。
さて、もしかするとナンシー関
といえば日がな一日 TV とにらめっこして芸能人を『口撃』する人
というイメージが先行しているかもしれませんが、本作ではそんなエキセントリックな印象よりもちっとのんびりした素顔をかいま見ることができます。何しろ元のテキストがサイトトップに不定期で掲載されたコラムが中心なので、必然的にサイン会(彼女の場合は『スタンプ会』)の様子が間抜け
とか、(サイトで企画された)個展の版画プレゼント応募数、(田中)邦衛強し!
とか、雑誌連載では見られないようなゆる〜いネタが続きます。
でも何か、こういう方が読みやすいなぁ。いつもの芸能人ネタも面白いけど、TV あんまり見ないふうこにとっては半分くらい(下手すると半分以上)どうでもいい人のネタだったりするし。それとも、私がネット日記の文体つーか、ネット日記的ネタチョイスに慣れすぎているってことなのか。どっちなんだろう。
で、どうでもいいけど、ナンシー氏の文体は少々伝染力が高いのです。読んだ直後に何か文章を考えてると全部ぼやいたような口調になってて、読み返すと気恥ずかしいから気をつけろ>俺。
一息つく間もなく恩田陸。いつの間にか最新刊出てんだもんよ…。とはいえ、これは読む前に聞いた評判が割と良かったので期待してました。ある郊外型スーパーで発生した重大死傷事件を、関係者と調査者、質問者と回答者、被害者同士、友人同士、隣り合わせた者同士の会話(ダイアログ)
で再構成した「実録風」小説です。
世の中、感激屋さんというのはいるもんですな。で、ふと思い出したのがコレ。
高河ゆん『You're My Only Shinin' Star―君はぼくの輝ける星』
失恋をするとその悲しみで死んでしまうという月星人(セレナイト)の生き残り、レンブラント(♀)と謎の魔導士イマーム(♂)のラブストーリー…っていうと何かしっくり来ないが、そうとしかいいようがない。短いながらも破天荒な設定が満載で、1990 年代の少女漫画界で一時代を築いた作者のポテンシャルをかいま見られる初期中編の文庫版です。
本作では月星人が悲しみを感じる時、胸がずきっとする描写があるのです。確かにひとは切なさを感じる時に胸がずきっとしますが、もしかすると実際にショック性の胸腔内出血
みたいなことが起きているのかもしれません。
Amazon アソシエイト・プログラムに入ってみました。まぁ儲けるつもりはさらさらなくて、紹介する時に書影があると便利かなーて程度なんですが。リンク作るのも楽だし。
で、今回のは読書っていうか…書籍ってだけですが。ともかく、ぶっちゃけ系成年女性ライフ4コマ(OL じゃないんだなこれが…)の最新刊です。
今回の見どころは、才媛ながら貧乏性で幸薄めの「香(こう)ちゃん」の恋の行方。奥手ながら元ヤンテイストで誠実+熱っぽいアプローチのモリタくんによろめいていく(古)さまが可愛い〜。フェロモン放出器「すずな」は相変わらず蛾のように群がる男達を食い散らかしてはいるものの、ヤイチの彼氏「オジャブー」に「普通の女の子」扱いされてちっちゃくご機嫌。四六時中性の対象にされてるのもしんどいやね。
見た目キッチュで脳内オヤジの「ヤイチ」はオヤジっぷりに拍車かかりすぎ。だんだん見た目までオヤジ化してますが…この巻あたりから読み始めた人にはついてけないだろう。とりあえず、作者は1巻に1回くらい可愛いヤイチを書いてやってくれ。
どなたかのウェブログでお勧めだった本だったんですが、該当記事が探し出せません。どこだったかなぁ…。大体書店でも上の名前が割とありきたりで、下の名前が変なカタカナの人で新書
とか、べらぼうに曖昧な条件で探しました。で、そんなんでちゃんと探し出せるほど、いかにも新書然としたタイトルに人を食ったようなペンネーム(意味はごく真面目だそうです)が微妙なインパクトを放つ本書ですが、内容は決して日曜作家のための教科書ではございません(笑)。
ついに読書
カテゴリ復活。最初のエントリは日本の安楽椅子探偵の代表格と言われているシリーズ短編集の第1巻です。いつかは読んでみようと思っていた作家さんでしたが、結局お亡くなりになってから初めて手に取ることになってしまいました。