映画『夜のピクニック』
- 2006-10-03 13:24
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あわわわ。もーあれこれ溜めてて全然アップが間に合わないし…とりあえず旬を逃さない内に。
恩田陸氏の、今のところ一番世評の高い作品の映画化です。私も自分の読書感想ではかなり手放しで褒めてる作品。このほど雑誌の懸賞で特別試写会に応募したら当たったので、2006 年 9 月 14 日、東京は山手のど真ん中、九段会館まで出かけてみました。実は同じ日時に自宅最寄の MOVIX などでも舞台挨拶つきの試写会が行われていたようですが、まぁそっちは無理だったな。上映開始時間までに帰れないし。九段会館の方の挨拶には主人公・貴子役の多部未華子ちゃんが出てきてくれたので、こっちで当たりといえば当たりかなぁと(微妙なところは後述)。
さて、ストーリー等は公式サイトを参照して頂くとして、ふうこの映画に特化した感想はというと…あまりにも原作の雰囲気そのままで驚きました。どのくらいそのままかというと、原作読んでてえー(-_- )
と思ったところまでそのまんまだった(笑) まぁ、そこを抜いちゃうと恩田陸じゃないって感じもするんですが、ディテールはともかく本当に原作の魅力を余すところなく映画化したという印象を受けました。
役者さんもみんなイメージぴったりで素晴らしかった。多部未華子ちゃんの「黙ってたら怒ってるみたいに見える顔」なんか貴子にぴったりだし、融役の石田卓也くんも「寡黙なテニス少年」以外の何者でもないし。個人的には忍役の郭智博くん、高見役の柄本祐くんとか好きだったなぁ。この二人は役どころもいいんだけどもね。
個人的に意外だったのは順弥。原作読んでた時はいくら何でも無理矢理すぎるだろう
と思っていたのだけど、役者さんがよかったのかな、映像で見るとこいつならこの位やりかねん
というやんちゃっぷりに引き込まれました。加藤ローサちゃんは…チョイ役っぷりに驚いた(笑) まぁ重要な役ではあるんですがね。現在 Yahoo! 動画で配信中の「前日」談『ピクニックの準備』では、彼女を主役にした小品もあります。
ということで、とにかく原作が好きな方はぜひ見てほしい作品に仕上がっていますが、原作を見ないで見る人にはちょっと言っておきたいことがあります。これは原作にも言えることなのだけど、このお話は何か「大きなこと」が起こる話ではありません。映画だからといってそういう展開を期待すると裏切られた気分になるでしょう。でも、できれば学生時代に参加させられたマラソン大会とか、山のてっぺんまで歩いて上る遠足とか、そういう体験を心に浮かべながら「歩行祭」の道程を画面のみんなと一緒に歩くつもりで見てほしい。そして、丸一日かけて 80 km を歩ききった貴子やみんなの心に灯った、小さいけれど眩しい光を感じてほしいと思います。
そんなこんなで、ふうこも原作を読了した時の清々しい気分を追体験できたことに大変満足して九段会館を出たところ、目の前の駐車場で整列して体操座りをした 100 人ほどの児童と大きな観光バス 2 台に出くわしました。どうやら修学旅行中で点呼を取っているらしい。…何の演出かと思った(笑) しかし、舗装された駐車場の上に体操座りって、小中学生の時は校外に出る度にやったが、端から見ると気味悪いもんだなぁ。
あと、最後に上映前の舞台挨拶で司会をやった人にはちょっと物申しておきたい。おそらく主催者側のスタッフの誰かがもののついででやったんだと思うのだけど、かなーり頂けなかった。そもそも壇上でまっすぐじっと立ってられないし、マイクを通すと発音が不明瞭で何言ってるかよく分かんない。しかも挨拶に立った多部未華子ちゃんに対しては、マイクを持つ手を支えるように腕を組んで足は休めの姿勢で質問を始めるし。格好が『歩行祭ジャージ』なもんだから、殆ど講堂で体育の先生が生徒に向かって話をしているような風情だ。挙げ句の果てに最後から 2 つ目の質問がそういえば、役どころを聞いていなかったと思うんですが…
ってオイ! いっぱいいっぱいにも程があるわ。主催者は、自分が客席からどう見えるかも意識できないような人をこういう場所で使わないように。会の成否にかかわります。
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