the world loves the wannabees.

まず前提として、ふうこの手はちっちゃいです。手首から中指の先までが 17cm 足らず、手をいっぱいに広げて、親指の先から小指の先までの直線距離が約 18cm。そんなですが、とりあえず片手で操作することはできています。よいアプリはやはりボタン配置のこともよく考えられているので、電車の中などで困ったことはそれほどありません。というか、閲覧だけだと、購入前に思っていたよりタッチパネルを使う機会が少ないですね。前の状態に戻したりアプリを終了したりするにはバック、ほかのアプリに移動するにはホーム（で一度ホームに戻る）、コンテキストメニューを出すにはメニュー……と、3 つのハードキーで操作する場面が結構多いです。

そんな中、タッチパネルの感度については……よく分からないというのが正直なところ。決して使いやすくはないけれど、何しろ普通にこういうの苦手なもんで。ただ、液晶のふちの部分の感度がほかの部分に比べて鈍い感じがします。入力中に予測変換候補の左上（＝一番よく使う候補）が何度やってもクリックできなかったり、カードゲームで端に置いてあるカードが動かせなかったり。クリックは、指の先よりも腹の方がよく反応する印象。ブラウザなんかで細かいところをクリックする時、指の腹だと狙いが見えないので指先で押したら、当たってる指先じゃなくて付くか付かないかくらいになっている指の腹の方に反応したりする。イラッ……。

そしてスクロール。これはかなり気に入らない。画面をぱっと親指で払うと、最初はぬるぬるーっと動き、そのうち加速が付き始めて、最終的には慣性力に乗る感じでばーっとスクロールしていきます。この動き、加速度センサーが付いてるデバイス（マウスとか）でよくあるんだけど、何がいいのかちっとも分からない。キライ。もっと、ルーレットを回した時のような反応にしてほしい。で、フリックではこんなふうにどんどんスクロールしてしまうので、1 画面分だけスクロールさせたい場合は親指を押さえたままぎゅって感じでスクロールさせるのだけど、これも結構タップと間違えられてイラッとすること多し。……よく分からないといいつつ、不満多いなｗ

さて、携帯でよくコミュニケーションをする人にとって一番気になるのは、やはり文字入力でしょう。Xperia のデフォルト日本語入力アプリは、ソニエリ製らしく POBox のスマートフォン版（POBox touch）です。でも、スマートフォンでは今フリック入力というのが流行ってるみたいですね。POBox touch でサポートしているのは、従来の携帯式のかな入力と QWERTY 配列です。POBox touch 自体は悪くないけど、携帯式の入力は煩わしいし、QWERTY 配列では片手で操作できないので、ふうこもフリック入力が使える別のアプリをインストールしています。

フリック入力が可能な日本語入力アプリでよく名前が挙がるのは Open Wnn フリック対応版と simeji です。ふうこは一応両方入れていますが、日常使っているのは Open Wnn の方です。Xperia で表示するにはキートップのグラフィックが粗く「質実剛健」といった印象の Open Wnn に比べて、simeji はスタイリッシュなキートップにマッシュルームという拡張ポイントを備え、絵文字入力に対応していたり、電話帳からの引用ができたりするのがウリのようです。が、ふうことしては i-mode 未対応の今敢えて絵文字を使う気もしないし、本文にアドレスを書きたいのでなければ電話帳引用も必要ない。それより変換効率的な部分で Open Wnn の方が先を行っていて、いろいろできることよりそちらの方が助かるのでこっちを愛用している感じです。……って、simeji 開発者のブログを見てると、simeji もバックエンドは Open Wnn のような気が……でも、Open Wnn フリック対応版では変換できた男鹿半島、simeji では変換できなかったんですよね。地名はデフォルトで押さえておいてもらわないと、急いでる時困る。

だらだらと書いてきましたが、iPhone を持ってる人や iPhone に注目してる人にとってはやっぱり iPhone / iPod touch と比べてどうなのかというのが気になるところかと思います。結論から言うと、まぁ iPhone の相手にはならないのではないかと。相方が最近 iPhone の代わりに購入した iPod touch をちょこっと触っただけの感想ですけど。相方はフリック入力使っていないし（殆ど家でしか使わないから）、twitter クライアント以外では振ったらかめはめ波が出るとか、木魚やお鈴を叩く度にいろんな猫写真が出てくるとか、ボタンを押したら爆破音が鳴るだけとかいうジョークアプリばっかり入れているので、ふうこが自分の使い方をしたときどうなるのかってとこまでは分からないんですが、何かそんな気がする。

先日、ニュージーランドでカーナビを開発する会社にお勤めの takkyun さんにお会いしたとき、iPhone のパネルはパネェと仰ってました。……ダジャレはふうこの脚色ですがね。実際にはこの感度は性能の高い（＝値段もお高い）部品を使わないと出ないといった主旨。確かに iPod touch を見てると、つるっつるというか、トゥルットゥル動いてる感じがします。Apple のこういうところへの力の入れ方ってすごいなあと思いますね。ドライバの方も、入念なテストを重ねて最高の触り心地を追求しているに違いありません。

一方の Xperia。画面は広くてとてもきれい。カメラもすごく性能がいい。だけど、タッチパネルに関しては触れたら画面に表示されたものが反応して何か起こるという以上の認識がないように思えます。例えるなら、銀行の ATM を操作してるような感じ？ さすがにあれほどレスポンス悪くはないにしろ、触っていて楽しい体験というのは圧倒的に少ない。ふと気づくと、Xperia が電話のできる PDA としか言いようのないものになりつつある今日この頃。これでも結構気に入って使ってはいるのだけど、そこはかとなくなんか頭固い人が作ったものだよなーという印象を受けているのでした。