OVA『聖闘士星矢 冥王 ハーデス十二宮編』
- 2004-09-06 19:06
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ものごっつ久しぶりに、DVD なんぞを見ました。週刊少年ジャンプ連載の原作から、TV アニメ放映のなかった『冥王ハーデス編』の前半エピソードを「十二宮編」と銘打っての OVA 化です。冥王ハーデスの戦士「冥闘士(スペクター)」が女神(アテナ)の命を狙って聖域(サンクチュアリ)へ攻め込むところから、その戦いを生き残った女神の聖闘士(セイント)達がハーデス城へ向かうまでを…って、フリガナ多っ(-_-; まぁそんなお話。
かくいうふうこ、TV アニメ本放映中の小学校高学年から中学時代は『星矢』の大ファンでした。が、ちょうど雑誌連載で『ハーデス編』をやっている辺りで遠ざかってしまったので、まともに見るのは実に15年ぶりでして、見始めた時は『星矢』自体どんな感じの話だったかよく思い出せない有様でした。
が、「昔取った杵柄」とはよく言ったもので、話が進むにしたがって音楽はほとんどが当時の劇伴だとか、声優さんは誰が入れ替えになってる(何をおいても塩沢兼人さん…合掌)とかいうことをきっかけにするするといろんなことが思い出されてきました。そういやこういうだーれも他人の話を聞かないで大時代的な台詞をやりとっている内に、その場で勝つべき人が勝つ話だったなとか…。青春時代ちょっと手前の甘酸っぱいというか、むしろ腐臭 (-_-; の漂う思い出にちょっと目を背けたくなる(苦笑)1編でありました。ついでに衛星放送で放映された時に某所で曖昧な記憶のままコメントした内容が思いっきりネタばれだったことに気づいて青くなったり。
それはさておき、客観的に見たところの『星矢』は、少年漫画でよく見られる「強敵出現→歯が立たない→やられてもやられてもあきらめない→最後は敵を凌駕」という図式がらせん状に連なった構造のお話です。この構造をもつ話は大体そうですが、最初は「敵を凌駕」の部分で主人公(たち)の成長が見られて感動を呼ぶものの、ある程度話が進むと必然的に誰かの犠牲や奇跡などの外的要因の補助で片をつける場面が増え、読後のカタルシスが得にくくなっていきます。特に『ハーデス編』は爛熟期を過ぎつつある物語にモチーフの陰気さがあいまって、どんなに登場人物を勇ましく描こうと拭いようのない閉塞感が漂うエピソードで、これが当時の少年たち(私もそうだけど)に背を向けられた一因なのだろうと推測されるところです。
が、OVA ではその辺の雰囲気を逆手にとった演出が光っています。新作 OP・ED はいずれも戦士の憂いを前面に出したメランコリックな映像です。また、ストーリーについても未完になることを恐れず、鎧=聖衣(クロス)がゴージャスな上に美形揃いで人気の高かった黄金聖闘士(ゴールドセイント)が大フィーチャーされている前半のみを取り上げていて、マーケティング的なうまさを感じます。…主人公の星矢たちの見せ場が殆どないけど(-_- ) あくまでも「少年向け」だった TV アニメとは違う制作意図を感じ取ることができます。まぁつまり、ターゲットど真ん中<俺
と、ここまで書いてみれば「今日の」ネタで近年まれに見る長文…。何だかんだ言って中てられてんな。『星矢』でこんなだったら、来年早々に公開されるもうひとつのトラウマであるところの『機動戦士Ζガンダム』劇場版を見た日にはどうなることやら、と別な不安にとらわれる今日この頃です。
Received Comments(投稿順)
腐女史なあずみMoと申します。
星矢は私も観てました・・・中学生だったかなぁ。
今思い返せば、私の腐臭第一歩だったかも。
でも、ふうこさんの言われる通り、ハーデス編は背を向けてました。というか、アニメ中心で原作は蔑ろにしてた(^^;
今も少年漫画の大半は、題材はともかく構造は変わりませんよね。
作者さんたち(編集部も、かな)には盛り上がった状態で幕引きをする勇気を持って欲しいなと思いつつ、立ち読みしてるんですが、なかなか潔さを感じられる作品には巡り会わないです。
ああっ、いかん。こんな長く書くなら、トラバにするんだった
初めまして〜よろしくです。
当時は、ひっぱった挙げ句見た目に痛々しい辞め方をした作品が目立ちましたね。最近は作者の思惑もかなり反映されるようですが…
それでもなお難しさはあるのだろうなと感じています。