the world loves the wannabees.

この日は、試合前に二軍のホームグラウンドである第二球場を使ってキャッチボールができるイベントがありました。いまどきキャッチボールができるスペースを提供してもらえるのは貴重なので、ふうこたちももちろん参加。

例によってちょっと出遅れ、イベント終了 30 分前に会場到着。まぁどうせ 30 分も投げればくたくたになるんだし、ってなことで相方と 2 人、時間いっぱいまでちんたら投げ合っていたら、だいぶ人が捌けてきたグラウンドにちょっと雰囲気の違うお兄ちゃんが出現。後方からふうこたちの方に寄ってきました。振り返ると、それはなんと二軍調整中の……知ってる知ってる！ 西武の選手！ でも、予想外の展開にびっくりして名前飛んだ……！

その選手は、まず「そのボール、見せてもらっていいですか」と、ふうこたちが使っているキャッチボール専用ボールに興味を示しました。硬球にそっくりの見かけと大きさだけど、軽くて材質も柔らかく、キャッチボール程度のスピードでは当たっても大して痛くありません。そして、そのまま距離を取って 2、3 度キャッチボールの相手をしてくれました。うわわわ。ふうこは蘊蓄は傾けるものの自分でやるのはへったくそなので、非常に恥ずかしかったです。

その後、少しだけ立ち話。あれやこれやであわあわしちゃってるふうこをよそに、相方が「（一軍で見ないけど）どうしたんすか？」と近況を尋ねます。選手は「怪我っすよ。つまんないっす。あそこでやりたいっすよ」と、林を隔てて見える西武ドームの屋根に目をやりました。そうだよね。昨季はブレイクの兆しありと大いに期待されたものの、結局怪我でファーム暮らし。今年の春季キャンプも無念の B 班（二軍）スタートだったしね。……いや、だからちゃんと知ってるんだって。名前が飛んじゃってるだけで。

そして、「今日は今からあそこ（で観戦）ですか。応援してやってください」という彼の言葉をしおに、ふうこたちはその場を上がることにしました。ほかのファンがすかさず彼に寄っていってサインを求めていましたが、ふうこたちはキャッチボール以外の荷物を全部車に置いてきていたので、そのまま背を向けて第二球場を後にします。

球場を出て歩きながら、相方「さっきの誰だっけ？」。……松坂健太。やっと名前が出てきた。ちなみに、「松坂」の読みは「マツザカ」じゃなくて「マツサカ」です。しかしこういうことがあると、その選手のことが俄然気になり始めますね。おそらく、こういう時には積極的にファンに声をかけるよう指導されていると思うんですが、確かに効果的だと思います。ふうこなんか家に帰って速攻で応援歌覚えちゃった（笑）

一方で、こういった僥倖に出会うとちゃんとお釣りを要求されるのも世の常で、試合は前述の通りの結果。しかも、先発帆足が 7 回 2 失点の好投だったにもかかわらず、8 回に中継ぎにスイッチした途端に大崩壊。特に、無死二、三塁の場面でワンポイントリリーフで出てきて暴投で三塁ランナーを還し、しかも対戦バッターを四球で歩かせた星野。一体何しに出てきたんだ（怒）せめてどっちかアウトにしろよ。しかも、開幕から今まで星野の救援失敗はこれ 1 度じゃない。いまだに一軍にいるのが不思議なほどだけど、かといって代わりに上げる選手も……。特に左腕が不作の西武です。

さらに、ふうこは前述のキャッチボールの際にボールをリリースした瞬間、右上腕に引きつったような感覚を覚えていました。その後は無理しないようにしていたのだけど、時間が経つにつれてどんどん痛みが酷くなり、ただ座っているだけでもじんじんと響くように。うわー。何かやった！ どうしよう～。（一応）商売道具なのに。その夜にかかりつけのマッサージ（と便宜上呼んでいるが正確には違うものらしい）の先生に診てもらったところ、筋繊維を痛めているようだということでした。毎日湿布して、完治まで一週間弱かかりました。

とりあえず、健太に相手してもらえたことと、それをきっかけに覚えた応援歌を歌う機会が割と早々にやってきたことだけがこの日の収穫。ちーん。