映画『機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛』
- 2006-03-07 18:20
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はい、舞台挨拶ログに続いて本編の感想です。ネタバレ回避する手間はかけません。映画をご覧になる前に情報を入れたくない方はこの先お読みにならないでください。かといって、これはどこまで行ってもふうこの所感を語る記事ですから、オチだけ知りたい人のご期待にも添えません。…一体誰に読ませる気なんだという…って、だからここはふうこの個人ページなんだってば。
さて。この度はとうとう劇場版最終作ということで、鑑賞ポイントはオチがどうなるか
につきるわけですが。ていうのが、もうこの辺りになると時間軸が全然把握できてなくて、どこがどう違うとか、全然分からないのよ…(汗)。
結果としては、うーん。納得はいきますね。ああいう子が主人公ならこういうエンディングが一番自然だし。TV 版とはまるきりベクトルが違うラストを恐れずにやったというのはある意味快挙かもしれない。でも、全体を通じて面白かったかというと…。だめじゃないんだけど、ああ、面白かった!
って感じでもない。一緒に観に行った相方の言葉を借りれば、全体を通じて会談してはドンパチ、会談してはドンパチ
だったので、登場人物に感情移入できるところが全くありませんでした。
だからといって物語のクオリティが低いのかというとそういうことではなくて、多分富野監督が映画化するに当たって抜き出したエッセンスが、私がその昔惹かれた『Ζ』以外の部分にあったものなんだと思います。端的に言えば、劇場版『Ζ』は TV シリーズよりずっと『ロボットアニメ』寄りで、ファーストガンダムのような、大きな時代のうねりの中で生きていく人々のありようを見せるお話に近くなっています。でも私はそういうお話にそれほど興味があるわけじゃない。TV 版『Ζ』でお気に入りだったのもそこではない。元々期待しているところが違うのだから、満足度は低くて当然かと。ただ、劇場版がそうなりそう
というところは前2作の流れから覚悟の上で観てるので、口で言うほどがっかりしてるわけではないですが…。ラストもどっちかっていうと好きだし。呪縛から解き放たれたようにゆるゆると MS 形態に戻っていくΖガンダム、アレよかったなぁ。
で、さらっと初日をご覧になった方のウェブページを見回るとエンディングテーマが浮いてる
という意見が多いみたいなんですが、こっちは逆に違和感なかったりして…。いや、違和感がないというとまた語弊があるんですが、こういう感じのチョイスってハリウッド映画によくあるな、と思いました。特に、『マトリクス』とか『SPAWN』とか『X-MEN』みたいな、ちょっと陰気で非現実的なモチーフを扱ってる作品。要するに共通点は内容がマンガ的
、などと斜に構えた見方も可能かもしれませんが、どっちかというと映画で語られた物語から先も戦いは続いていくのだということを示唆した「全体のメインテーマ」的チョイスなのではないかと思います。そういうことを狙いにすれば、むしろエンディングにたどり着いてよかったよかった
などと思い込んでいる観客をはっとさせるような、違和感を喚起する類になるのも当然かなぁと。
要するに、変革を求めて多くの人間が上り、そして降りていった「UC 世界」という舞台は、いろいろなものを飲み込みながらも、本質的にはあまり変わらないまま続いていくんでしょう。カミーユとファがお互いの存在を確かめながら浮かぶ暗黒の宇宙空間は、勝者につかの間もたらされたカタルシスをあざ笑いながらも見守っています。今回ラストに追加されたハマーンが帰艦して次の行動に移るシーンなどからも、そういう「形を変えながらも連綿と続く何か」を感じました。
ま、最初はどうなることかと思ったけれど、終わってみればそれなりに楽しく、お祭りなひと時を過ごすことができました。まずはお疲れさまでした>スタッフおよび関係者の皆様。でもアレだな、私はやっぱり TV 版のカミーユがいいやー。劇場版のカミーユもあれはあれでかわいいし、劇場版1作目を観て心配したほど脇に引っ込んではいなかったが、どうも今ひとつ惹かれるものがないんだよなぁ…。絵もすごくきれいなんだけど全体になよなよした感じで、目元に男の子らしいやんちゃさがあまり見えないのが好かんし。安彦カミーユ万歳。
はい皆さん、ご一緒に。これがオールドタイプということなのか
。
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