CONTENTS

一緒に歩けない運命

突然ですが、ふうこは大変物忘れのひどい子どもでした。どのくらいひどいかと言うと、外に遊びに行く時に持って出たおもちゃを、帰る時には手に持っていないというくらい。遊んでいる最中に手から離れると、ないのと同じになってしまうのです。散々ねだられて買ってやったおもちゃが、次の日に駐車場の片隅で車に轢かれているのを見つけた(らしい)母は私におもちゃ禁帯出令を出しましたが、私自身は忘れているが故に何故そんなことを言われるのか理解できない、という有り様。理由が分かったのは随分と後になってからでした。

冒頭にはでしたと過去形で書いたものの、三つ子の魂百までと申します通り、いい大人になった今でもよく荷物と泣き別れになります。雨の日の傘は言うに及ばず、電車の網棚に乗せた荷物、携帯電話、財布など、枚挙に暇がありません。

これでも一応どうにかしなくてはと思って様々な対処法にトライしてきました。席を立つ前に確認を励行するとか、手に書くとか。が、究極の物忘れの称号は確認するのを忘れ、手に書くのを忘れる、あるいは手に書いたことを忘れてこそのものなわけで。ある時は物に執着がないからいかんのでは、と考え、なくしたら泣いてしまうほど無駄に高価な品を選んだりしてみました。しかし執着はお金で買えないということを知りました。有栖川有栖の短編で読んで試した怪我したわけでもないのに指に絆創膏を巻くという方法はなかなかでしたが、指が10本じゃ足りませんでした。ていうか既にテーピングだそれは。最近では、もしかしたら一緒に歩けない運命というやつがあるのかもしれないと思い始めています。

さて、前置きが長くなりましたが、今日はそんな運命に見舞われた私の持ち物のお話。

今朝、眼鏡をかけて電車に乗りました。車内で文庫を読もうと眼鏡を外しましたが、眼鏡ケースを家に忘れて来たことに気づきました。本を読む時は眼鏡を外さないと頭が痛くなるので、仕方なく着ていたスプリングコートの前合わせにひっかけて読書を始めました。

電車が代々木駅に着いた時にふと前合わせに目をやると、眼鏡は引っ掛けている方のつるが開いて落ちそうになっていました。危ない、危ないとつるを元通り閉じて読書を続け、渋谷駅に着きました。足下に置いた荷物を屈んで取り上げ、足早に電車を降ります。ハチ公口の改札を出て交差点を渡り、50m ほど歩いてふとそうだ、眼鏡をかけ直そうと胸に手をやると、ない。最後に確認してから紛失に気づくまで、移動距離にして 300m 弱、時間にして 10 分弱。

なっ、なんでぇ?! _(T^T_) あり得ないよ! あり得ないよ!! 久しぶりに、お店で一目惚れして手に入れた眼鏡だったのに! まだ買ってほんの1ヶ月で…わああああんっ 運命なんて、キライだっ。


Received Comments(投稿順)

No Comment
コメントはありません。
Comment Form
  • URI は自動的にリンクされます。
  • HTML タグは使えません(そのまま表示されます)。
  • JavaScript を有効にしないと投稿できません。

Trackback Address

http://wannabe.sweet-smile.org/tb.cgi/48

Received Trackback(受信順)

No Trackback
トラックバックはありません。

NAVIGATION

Entry Jump

ランダムセレクト
上のリンクをクリックすると、ランダムに選択された記事に飛びます。

Profile

SereneBachオフィシャルガイド
好評発売中です

Recent Entries

Categories

Archives

Others