「A入りB」は「A in B」か「B in A」か
- 2004-03-25 13:12
- 日記・与太
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- なまもの日記 2004年3月22日付け
大手ミステリ(笑…とかつけてみたり)書評サイト、「なまもの!」の大矢博子さんがご自身の日記にこんな疑問を提示されている。
- カニ入り炒飯
- 箱入り娘
(中略)(1)の場合は、炒飯の中にカニが入っている。ところが(2)では、箱の中に娘が入っているのである。これは如何に? A入りBとは、A in B なのか、B in A なのか。
(@@ )? … (@@;)?! …
と、しばらく嵌っていて、ふと気づく。これ、入るところからして違うじゃん! A入りB
という言葉におけるAとBの関係はAであるところのB
だ。日本語の…入りの
と英語の in
には 1:1 の関係はありません。日本語なら箱の中に入っている娘
カニが入っている炒飯
だけど、英語だと a girl who is in a box
で fried rice with crab meat
。…ホントは箱入り娘
には a girl who has been kept in cotton wool all her life
といういい方があるようだけど。
では、1の入り
と2の入り
に区別をつけているのは何かという話ですが…それは「A in B = Bに入っているA」という感じで単語の並びのみから文意を解釈する分野(統語論 Sytax)の話ではなくて、コンテキスト、すなわち提示された文の裏に「娘が箱に入るのであって、箱は娘に入らない」という前提があることを考慮に入れて文意を解釈する分野(語用論 Semantics)の話です。本気で語ると論文が書けますから勘弁して下さい。
…という話を、ブログネタにしないで大矢さんにメールすりゃいいとは思ったんですが、私大矢さんとは一面識もなくて…。一応ミステリ者だけど食わず嫌いがたたってあちらの書評で取り上げられた本の10分の1も読んでないから、ファンレターにできるほど書くネタがあるわけでもなく。一度も会ったことのないサイト管理人さんにメール出す時って、皆さんどうしていらっしゃるんでしょう…
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