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ナンシー関『ナンシー関のボン研究所』

ナンシー関のボン研究所

2002 年に急逝されたナンシー関氏の公式サイト、NANCY SEKI's FACTORY『ボン研究所』(以下『ボン研』)に掲載された文章と、その他単行本に未収録(と思われる)の対談等を納めた最後の新刊…なのかな。しらんけど。実は『ボン研』はまだアクセスが可能で(独自ドメインなのに…誰が面倒見てんだ)、本作に収録されたネタの大半はまだネットで読めてしまうという。

さて、もしかするとナンシー関といえば日がな一日 TV とにらめっこして芸能人を『口撃』する人というイメージが先行しているかもしれませんが、本作ではそんなエキセントリックな印象よりもちっとのんびりした素顔をかいま見ることができます。何しろ元のテキストがサイトトップに不定期で掲載されたコラムが中心なので、必然的にサイン会(彼女の場合は『スタンプ会』)の様子が間抜けとか、(サイトで企画された)個展の版画プレゼント応募数、(田中)邦衛強し!とか、雑誌連載では見られないようなゆる〜いネタが続きます。

でも何か、こういう方が読みやすいなぁ。いつもの芸能人ネタも面白いけど、TV あんまり見ないふうこにとっては半分くらい(下手すると半分以上)どうでもいい人のネタだったりするし。それとも、私がネット日記の文体つーか、ネット日記的ネタチョイスに慣れすぎているってことなのか。どっちなんだろう。

で、どうでもいいけど、ナンシー氏の文体は少々伝染力が高いのです。読んだ直後に何か文章を考えてると全部ぼやいたような口調になってて、読み返すと気恥ずかしいから気をつけろ>俺。


恩田陸『Q&A』

Q&A

一息つく間もなく恩田陸。いつの間にか最新刊出てんだもんよ…。とはいえ、これは読む前に聞いた評判が割と良かったので期待してました。ある郊外型スーパーで発生した重大死傷事件を、関係者と調査者、質問者と回答者、被害者同士、友人同士、隣り合わせた者同士の会話(ダイアログ)で再構成した「実録風」小説です。

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悲しいと死んでしまうのだ。

世の中、感激屋さんというのはいるもんですな。で、ふと思い出したのがコレ。

You're My Only Shinin' Star―君はぼくの輝ける星

高河ゆん『You're My Only Shinin' Star―君はぼくの輝ける星』

失恋をするとその悲しみで死んでしまうという月星人(セレナイト)の生き残り、レンブラント(♀)と謎の魔導士イマーム(♂)のラブストーリー…っていうと何かしっくり来ないが、そうとしかいいようがない。短いながらも破天荒な設定が満載で、1990 年代の少女漫画界で一時代を築いた作者のポテンシャルをかいま見られる初期中編の文庫版です。

本作では月星人が悲しみを感じる時、胸がずきっとする描写があるのです。確かにひとは切なさを感じる時に胸がずきっとしますが、もしかすると実際にショック性の胸腔内出血みたいなことが起きているのかもしれません。


有間しのぶ『モンキー・パトロール』(5)

モンキー・パトロール(5)

Amazon アソシエイト・プログラムに入ってみました。まぁ儲けるつもりはさらさらなくて、紹介する時に書影があると便利かなーて程度なんですが。リンク作るのも楽だし。

で、今回のは読書っていうか…書籍ってだけですが。ともかく、ぶっちゃけ系成年女性ライフ4コマ(OL じゃないんだなこれが…)の最新刊です。

今回の見どころは、才媛ながら貧乏性で幸薄めの「香(こう)ちゃん」の恋の行方。奥手ながら元ヤンテイストで誠実+熱っぽいアプローチのモリタくんによろめいていく(古)さまが可愛い〜。フェロモン放出器「すずな」は相変わらず蛾のように群がる男達を食い散らかしてはいるものの、ヤイチの彼氏「オジャブー」に「普通の女の子」扱いされてちっちゃくご機嫌。四六時中性の対象にされてるのもしんどいやね。

見た目キッチュで脳内オヤジの「ヤイチ」はオヤジっぷりに拍車かかりすぎ。だんだん見た目までオヤジ化してますが…この巻あたりから読み始めた人にはついてけないだろう。とりあえず、作者は1巻に1回くらい可愛いヤイチを書いてやってくれ。


恩田陸『禁じられた楽園』

禁じられた楽園

徳間書店刊『問題小説』で連載されていたものの単行本化。これが連載されていた頃、基本的に氏の作品は雑誌連載から追いかけていたんですが、これに限ってはどうも無理、と第1回を見ただけで止めてました。

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