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ぼくらはモノをつくっている

全体的に非常に面白い記事だったのだけど、日々机に向かってぱたぱたと PC のキーを叩く、傍から見ると謎の商売についている人間として印象に残ったのはこの辺り。

この考え方を整理すると、モノは「設計情報」と「媒体」に分けられる。コップの例であれば、ガラスという媒体に水を飲むために便利な形状という設計情報を転写したものがコップになる。「モノづくりとはモノをつくることにあらず、モノにつくり込むこと。では何をつくり込むのかというと『設計者の思い』ではないだろうか。設計者の思いをある媒体に転写し、その媒体をお客さんのところまで良い流れで届ける」ことが藤本氏の考えるモノづくりである。

ふうこの父は工業高校の造船科を出て、自動車の修理やオプションパーツの取り付けを生業にしてきた。ふうこの母は高校の家政科を出て、内職でオーダーメイドの服の仕上げを請け負ってきた。ふうこは高校の普通科から文系の四大を出て、IT 産業の隅っこでやっぱりモノをつくっている。ふうこが作ったものを誰かが偶然街中で見かけるなんてことはまずないけれど、それでもモノづくりをするものの端くれだ。自分でもずっとそのつもりではいたのだけど、今まで誰にも説明できなかった。

ぼくらはモノをつくっている。


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