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恩田陸『酩酊混乱紀行「恐怖の報酬」日記』

酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記

前回に引き続き、「小説以外」を。著者初の紀行文です。

さて、早速ネガティブ自分話ですみませんが、ふうこは基本的に「紀行文」というものが好きではありません。自分が行ったことのある場所の話ならなおさら。何故かと言えば、自分が行った時に気づかなかったことを体験している様を見ると腹が立つからである。…我ながらとんでもない狭量さだ。

でも実際の話、イギリス旅行に行ったお友達の旅行記を読んだ時にもっとイギリス人作家の本を読んでおけば、自分のイギリス旅行ももっと面白かったのかなぁとこっそり臍を噛んだ覚えがあるので、小説家になった今でも年に200冊本を読むという著者のイギリス・アイルランド旅行を題材にした本作は、ふうこ的にかなりの確率で積んだまま腐っていく候補だったわけです。が、日本全国で夏日を記録した週末の手持ち無沙汰の埋め草に何故かフィット。全く、何がきっかけで壁を越えるか分かったもんではありません。…そんな大した壁でもないけど。

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恩田陸『小説以外』

小説以外

各文芸雑誌への寄稿や文庫の解説など、恩田陸氏の小説以外の文章を集めた本。はっきり言ってコレクターズアイテム。でも本書の巻末の著作リストに載っている作品をどれも1度は目を通したことがある私は買うべきだろうと思う(でも『ユージニア』はまだ積んでる)。

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こうの史代『夕凪の街、桜の国』

夕凪の街桜の国

もともと同氏の『ぴっぴら帳(ノート)』の方が気に入っていた相方が、帯についていたアオリにつられて買ってきた1冊。原爆に遭って10年、明るく過ごしながらもどこかであの日、生き残ってしまった自分を赦すことができない女性の希望と絶望。

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有間しのぶ『モンキー・パトロール』(6)

モンキー・パトロール (6)

はい。また漫画ですよ。20代負け犬予備軍(って、こういう言い方好きじゃないけど、便利でつい。ぬるいな、俺)の生き様を描く四コマ漫画の最新刊です。

今回の見所は、何と言っても前巻の巻末で読者に強烈な放置プレイを食らわせた香(こう)ちゃんの恋の行方! ああーすっっごい気になってた! …そういや、いつの間にか年を追い抜かしてしまったな。20代は遠くになりにけり(<いや、まだ半年くらいだから)。

全体的には「一見さんお断り」の看板が見えるほどのぶっ飛ばし具合なので、ここにアサマシリンク貼っときながらこの巻だけ読むのはお勧めではありません。雑誌連載で、途中から読んだ人が入れない雰囲気を醸し出し始めると必然的に終わりが近くなってくるんだよな。うむ、そろそろ潮時か…?とか思ってたら、前巻で鉄の幸せぶりを誇っていた玄夜(げんや)が、巻末2ページで強力な爆弾を食らわしていきました。…うっそぉ! そうくる!? こ、これは長そう…ていうか、終わってもらっちゃ困る〜。


ひかわきょうこ『彼方から』

彼方から (1)

風邪で寝込む前に手に入れて、病床から今までリピートしまくりの今日の読書。漫画だけど。文庫版最終巻の第7巻が2005年3月15日にめでたく発売になったので、感想解禁。ちょっと夢見がちなごく普通の女子高生、立木典子が無差別爆破事件に巻き込まれた拍子に全く別の世界に飛ばされてしまい、そこで異世界人の青年、イザークと出会う…というべったべたなファンタジーです。

ていうか、ブログに移ってからは一度も言ったことないと思うんですが、ふうこ基本は SF 嫌いのファンタジー敬遠派なんです。まぁ SF にしろファンタジーにしろ、上質なものはちゃんと面白いって知ってはいるのだけど、プロアマ問わず選択肢が多すぎるのと、人気があるということと(ふうこの基準で)上質ということがイコールにならないことが多いのとで食わず嫌い。これも雑誌連載時に見ていなかったら手に取らなかったでしょう。まぁ本作は2004年度星雲賞コミック部門を受賞されたとのことで、ファンタジーとしての完成度は折り紙付きか。

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